● Test :Retro 400S と Supergrain 現像液


Rollei Retro 400S, Supergrain
Retro 400S/Superpan 200は、中間のトーン(ゾーンIII~VIIあたり)でコントラストが急激に 変化する特徴を持つフィルムです。
また、Rollei Supergrainは、ヘリバートシャイン氏によってローライ向けに、Amoloco D74に基づいて処方された、優れたオールラウンド現像液です。
私たちは、Rollei Retro 400Sフィルム/Rollei Superpan 200フィルムを、Rollei Supergrain現像液を使用して一連のテストを行いました。

フィルムの露出がISO 400/27°の場合、この組合わせにおける推奨の現像時間は、希釈1+12で10分です。
このテストで、私たちは、完璧な現像時間を見つけることを試みるのではなく、むしろ、露出と現像時間の違いが、どれほどフィルムのコントラストや濃度に影響するかを、皆さんにお見せしたいと思いました。

私たちはフィルムをISO 100/21°、200/24°、400/27°で撮影し、8分および10分でそれぞれ現像しました。
テストはこちらで述べている手順に従って行っています。

Rollei Retro 400S, Supergrain

以下のグラフではDIN/ISO標準曲線が黒で示されています。
ISO 400/27°の2つの露出はブルー、ISO 200/24°の2つの露出はグリーン、ISO 100/21°の2つの露出は黄色およびオレンジで示されています。
横軸はゾーン、縦軸はlogD濃度です。

全てのグラフはS字曲線を描きます。これはこのフィルムの特徴です。
グラフの傾きは中間部分(ゾーン3-7)では急こう配、先端部分(ゾーン1-3)と肩部分(ゾーン7-10)は平坦です。
これは、中間トーンに強いコントラストを有し、シャドウ部とハイライト部に弱いコントラストを有することを意味しています。

さあ、では、公称感度であるISO 400/27°と推奨現像時間の10分(ブルーのグラフ)の場合を見てみましょう。
シャドウディテールは非常に弱く、その後のコントラストが非常に強くなり、ゾーン5で標準グラフよりもはるかに高濃度を取得していますね。
このような高濃度では、プリントは困難です。
現像時間を8分に短くすると(淡いブルーのグラフ)、中間トーンでのコントラストは、ブルーのグラフより低くなり、DIN/ISO標準曲線に近づきます。
ですから、あなたがこのフィルムをISO 400/27°で撮影し、Supergrain現像液を使用する場合は、希釈1+12で8分で現像することをお勧めします。

グリーンのグラフは、露出ISO 200/24°、現像時間10分の場合を示しています。
シャドウディテールは、ISO 400/27°よりもはるかに良いのですが、濃度が非常に高くなっています。
薄いグリーンのグラフは、同露出で現像時間8分の結果を示していますが、それでも濃度はまだ高すぎます。
このフィルムをISO 200/24°で撮影し、Supergrain使用の場合、さらに時間を短くするか、より高希釈で行なうことをお勧めします。

ISO 100/21°(黄色とオレンジ色のグラフ)では、良好なシャドウディテールが得られました。
コントラストはゾーン1.5あるいは2で強くなりますが、ゾーン6で弱くなっています。
(ISO 200/24°(グリーン) と 400/27°(ブルー)は、ゾーン6で強いコントラストを維持しています)
しかし、ISO 100/21°では濃度が高すぎます。
ISO 100/21°で撮影し、Supergrain使用の場合、大幅に現像時間を短くするか、より高希釈が推奨されます。

私は、このフィルムの ミドルトーンにおける高コントラストゆえ、ストリート撮影で得られる強コントラストの仕上がりが、本当に好きです。
優れたシャドウディテールは、常に必要または望まれるわけではありません。光の状況が許すのであれば、私はこのフィルムをISO 200/24°で撮影します。
そうでなければISO 400/27°で撮影してシャドウ部を気にしません。
気に留めておくべき重要なことは、ISO 400/27°で撮影する場合、ゾーン2か3で露出を測定するのは意味のないことだということです。
これらのゾーンでは濃度の値が極めて低いことが、グラフから見てとれます。
それらのゾーンで露出を測定することは意味がありません。ゾーン4か5を測定するのがベストです。

Rollei Retro 400S, Supergrain

一連のテストは、ご自身で簡単に行なうことができます。
こちらのチュートリアルを参考にしてください。
また、ハイランド 濃度計の使用を、私たちは非常にお勧めしています。 暗室作業に従事している方にとっては大変便利なツールです。

βおよびγ値

ISO 100/21°
8 分10分
β0.871.04
γ 0.710.85
ISO 400/27°
8 分10分
β0.510.57
γ 0.690.80
ISO 200/24°
8 分10分
β0.670.93
γ 0.710.92

βとγは、異なるポジションにおけるグラフの勾配です。
それらはゾーンⅠ~Ⅴと、ゾーンⅠ~VIIIの、 βとγそれぞれのフィルム全体のコントラストを私達に示しています。
勾配が急である場合、すなわち、ひとつのゾーンから次のゾーンへの濃度の開きが大きい場合、コントラストが強いことを意味しています。

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