インフラレッド(IR=赤外線)撮影は、目には見えない光をキャプチャします。多くのIR波を反映したオブジェクト(たとえば瑞々しい緑の葉)は、フィルム上に明るく表示され、IR光を少ししか反映しないオブジェクト(たとえば空)は、フィルム上で暗く現れます。
普通のフィルムでは退屈に見えるシーンが、IRフィルム上では新しく新鮮に見えるかもしれない―これはフィルムと光の実験という楽しい方法です。
IR光を多く反映する緑の葉は明るく表示される
IR光を少ししか反映しない空は暗く表示される
私たちの目は、約390nm~700nm(ナノメートル)の波長の光を見ることができます。
一方でインラレッドスペクトルは、700nmよりも長い波長から始まります。
インフラレッド光スペクトラムで純粋に撮影をしたい場合、そのように長い波長に対して敏感なフィルムと、私たちが欲しくない波長をフィルムからブロックしてくれるフィルターを必要とします。
また、露出時間は長くなり得ることから、おそらく三脚が必要になるでしょう。
私は、715nmよりも短い波長を持つ、全ての光をブロックするフィルターを使用しています。
スペックは、フィルターの側面に刻まれています。フィルターを通して見ると、全ての可視光は遮断され、それは黒一色です。
当ショップでは、現時点では以下のIRフィルムをご提供しています。
Rollei Infrared 400S: 750nmまでセンシティブ
Rollei Superpan 200: 750nmまでセンシティブ
Rollei Retro 80S: 750nmまでセンシティブ
Rollei Retro 400S: 750nmまでセンシティブ
Adox HR-50: 750nmまでセンシティブ
SPUR UFG: 750nmまでセンシティブ
インフラレッド400Sと715nmのフィルターで、715nmから750nmの光スペクトラムを使用することができます。
さて今、私たちは露光時間を計算する必要があります。
以下では、ローライインフラレッド400sで撮影した場合を例にとって、説明しています。
通常、私はこのフィルムを Rodinalで現像しています。この現像液では、感度はISO 100/21°です。フィルターは、光の多く(通常約4ストップ分)を奪います。
つまり、ISO 100/21° - 4 stops = ISO 6/9°で撮影開始をするのが望ましいということになります。
4stop分の計算の内容は以下の通りです。
ISO 100/21° - 1 stop = ISO 50/18°
⇒ ISO 50/18° - 1 stop = ISO 25/15°
⇒ ISO 25/15° - 1 stop = ISO 12/12°
⇒ ISO 12/12° - 1 stop = ISO 6/9°
私たちは、IRフィルター上に置く前に、シーンに集中しなくてはいけません。
SLR(一眼レフ)のブラックフィルターでは何も見ることができないからです。
ですが、レンジファインダーカメラとTLRのユーザーは、そのことについて心配する必要はありません。
IR光は、可視光とは異なる焦点を有しています。いくつかのレンズには調整のためのマークが別についています。下の写真では、レンズはIR使用のために5メートルに集光されています。
今、1つの未知があります- IR光はどのくらいの強さなのでしょうか?
それは一日の時間の中で変化します。朝と夜は、通常は正午よりも強いです。また太陽の強さによっても変わります。
私は晴れの日にのみ撮影し、シーンがよく太陽で照らされていることをお勧めします。
また私は、普段のようにゾーンⅡやⅢではなく、ゾーンⅤの測定をスポットメーターで行います。IR写真撮影では、私はシャドウディテールについてそれほど気にしません。風景の中に植物がある場合、私はスポットメーターで植物の暗い部分を私はゾーンⅤだと考え、測定を行います。
では、さきに述べた露出の例(ISO 6/9°で撮影開始)に戻りましょう。
ライトメーターがISO 6/9°で1秒の値を与えるとしましょう。
今、私たちはシュバルツシルト効果/相反則不軌を考慮する必要があります。
ライトメータ―が示す値が1秒の場合、Infrared 400Sには、2秒の露出が推奨されます。
nですから私たちは2秒の露出時間でシーンを撮影します。
しかし、安全を期して、4秒と8秒の露出での撮影を追加して行うことをお勧めします。
さあ、外に出かけて、IRフィルムをもっともっと楽しんでください!